【新唐人2014年1月7日付ニュース】2014年の年明け早々、中国人男性が熱気球に乗って尖閣諸島の領有権を主張しようとしたところ、運悪く墜落。尖閣諸島沖で日本の沿岸警備隊に救助されました。一方、中国外務省は2日の記者会見において、男性は「熱気球愛好者」であると言うにとどまりました。この事件は中国国内外で熱い議論を呼んでいます。
報道によると、この男性は河北省出身の35歳の許帥軍氏。1日の午前7時に福建省から、尖閣諸島上陸を目指して熱気球に乗って出発。
午後2時26分頃、乗っていた熱気球が故障し、尖閣諸島・魚釣島の南から22キロメートル離れた沖合で墜落。携帯していた無線機で台湾に救助を求めました。台湾の救助本部は救助に向かうと同時に、日本の海上保安庁にも救助を要請しました。
海上保安庁は通報を受けた後、すぐヘリコプターと巡視艇による捜索を開始し、午後4時15分頃、魚釣島の南22キロメートルの海上で、熱気球が漂っているのを発見し、男性を救助しました。
共同通信によると、この男性は河北省出身の調理師だそうです。海上保安庁は着水地点が明確でない事から、入管法違法に問えないと判断し、男性を魚釣島の周辺を巡航していた中国公船に引き渡しました。
報道によると、この日、尖閣諸島の周辺海域では中国の公船3隻が巡航していました。
中国外務省は2日の記者会見でこの事件に言及しましたが、秦剛(しんごう)報道官は、「男性は熱気球愛好者」であると繰り返しただけでした。
中国メディアもこの事件に対し、簡単な報道を行いました。あるメディアによると、男性は自身のミニブログ(微博)に福建省に戻ったと書き込んだそうです。しかし、この書き込みは既に削除されているようです。ミニブログ(微博)の自己紹介によると、男性は河北省唐山市出身で、「AX-7熱気球で渤海湾を横断した中国第一人者」だそうです。
この事件をめぐって、中国のネット上でも熱い議論が展開されています。男性の行為を勇気のある行為と称えるコメントもあるものの、冷ややかなあざけりのコメントが大半を占めています。
一部を拾ってみましょう。「この男性に親指を立ててあげたいが、やはり大笑いした」
「この状況で、日本人に救助されるのはまずくないか?」
時事評論家 藍述氏
「これは悲しい現象です。これらの人々が本当に国を愛するのであれば、中共によって破壊された伝統文化の復興に努め、中共崩壊のために努め、マルクス・レーニン主義を中国から追放すべきです。これが真の愛国です」
時事評論家の藍述(らんじゅつ)さんは、中国の若者の愛国心は虚勢にすぎず、当局に煽られたためにこの種の馬鹿げた無駄な努力をすると指摘します。
時事評論家 藍述氏
「釣魚島は無人島で、この問題において、人道的問題は存在しません。中国には多くの陳情者、抑圧されている人、立ち退き被害者、土地収用被害者がいます。これほど多い非人道的な問題が解決されないのに、人もいない島に行って、何をするのですか?愛国主義の虚勢です」
ネット上にはこんなあざけりもあります。「なんで政府を困らせるの?」
ネットユーザー
許帥軍氏は昨年9月、熱気球による尖閣諸島上陸計画をミニブログ(微博)に公開し、「はっきり態度を示す中国人になる」と宣言しました。
ネットユーザー 秀才江湖さん
「中共が釣魚島を言及するのは国内矛盾から目をそらし、民衆の愛国情熱を煽るためです。幸せに生活さえできるのなら、(島が)誰の所有でもいいのです。中国の所有になれば、釣魚島にも城管が存在し、労働教養制度や拷問による自白などが生まれるでしょう」
昨年11月、中国当局は東シナ海防空識別圏を設定したことを発表し、空域内を飛行する全ての航空機の飛行計画を提出するよう求めました。しかし、アメリカや日本、韓国などの周辺国はこの識別圏を認めていません。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/01/04/atext1036766.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)